妙楽寺・安佐谷の仏像群/木造薬師如来坐像・木造地蔵菩薩立像・木造十一面観音立像
[2021年9月6日]
馬佐地区にある浄土宗・妙楽寺は、室町時代に創建されたと伝えられ、「明楽寺西誉崇清法師」の銘をもつ、万治2年(1659年)の釣灯籠がのこされています。境内の薬師堂に安置されている薬師・観音・地蔵の3体の仏像は、大淀町北方の「安佐谷(田口地区)」にあったとされる、廃絶した寺院の仏像と伝えられています。いずれも平安時代(11世紀後半~12世紀前半)の制作と考えられます。拝観の際は事前に妙楽寺までお声がけください。
妙楽寺
薬師堂中央の本尊・木造薬師如来坐像は、ヒノキの寄木造りで像高151cm。左手は膝上でてのひらを上にして薬壺をもち、右手はてのひらを正面にむけ、六角形の裳懸座にすわっています。この像は室町時代の補修をうけていますが、「半丈六」の巨像であることや、全体の像容からみて、平安時代の制作とみられます。町内に残る最古の薬師如来像として、平成31年(2019年)3月27日、大淀町の指定文化財となりました。
むかって左側の木造地蔵菩薩立像は一木造りの素地仕上げで像高160cm。むかって右側の木造十一面観音立像も一木造りの素地仕上げで像高192.5cm。この二つの像は、ヤマザクラの木で作られていることが樹種鑑定でわかりました。令和3年(2021年)8月31日、大淀町の指定文化財となりました。吉野で平安時代の仏像がまとまってみられる場所は珍しく、安佐谷にあった古代寺院との関係が注目されています。
馬佐薬師堂の仏像群
薬師如来坐像
地蔵菩薩立像
十一面観音立像
動画での解説は、YouTubeのページ(別ウインドウで開く)をご覧ください。
業務時間:午前8時30分~午後5時15分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)